44日目 秋田〜秋田
9時に起床。
昨日に引き続き遅めの朝。
眠いなあと一人で呟きながらテントを片付ける。
150キロくらいの移動だ。大したことない。
そんな調子でバイクを走らせて間もない頃、
昨日の夜に考えていた、"この旅でやり残したこと"を思い出しました。
まだ食べてない美味しい物なんだろう、、、
まだ行ってない観光地どこだろう、、、
そんなこと考えたらきりがない。
ただ、それよりももっと大事なことに気づきました。
この旅で自発的に作った友達がいない。
振り返れば、
ライダーハウスや道の駅で声をかけられて、受動的に友達になった人は沢山いるけど、自分から作りにいった友達っていないんじゃないか。
あっ、今日はそれにしよう。
そこで色々考えた結果…
もちろん知り合いは1人もいません。
ただ、この旅で培ったコミュニケーション能力は確かなはず。
やらなかったら絶対後悔する。
やろう。
そして到着。
【国際教養大学】は、
10年前に出来た新設大学で、英語に特化した授業が特徴的。
全ての授業は英語で行われ、宿題の量は膨大。24時間空いている図書館で連日夜遅くまで勉強をしている生徒多数。
しかも、一年生は相部屋の全寮制で同居人は必ず留学生。
その教育のおかげで、就職率はほぼ100%で有名企業にも数多くの学生が内定をもらっている。
らしい。
はたして本当なのか。
仮に本当なら僕たちの普段通っている大学と環境が違いすぎますね…
ということで、突入。
まずは、食堂らしき建物に入りました。
入った途端に目に飛び込んできたのは、留学生のグループがテーブルで談笑している様子。
おーー国際的やなーー。
とりあえず席に座る。
しかし注文の仕方がわからない。
横に目を向けると、英語で書かれている張り紙。
パニクる俺。
いきなり何も出来なくなってしまった…
だけど、このまま帰るなんて恥ずかしすぎる。
意を決して、隣にいた学生に声をかける。
『すいませーん。ここの食堂ってどうやって注文するんですか?』
いきなり何言ってるんだ俺…
ここの学生しか使わないはずの食堂で、二学期も始まったこの時期にする質問じゃないじゃないか…
後悔の念が頭を駆け巡りました。
しかし、話しかけた学生は快く教えてくれました。
『ここで頼めばいいんだよ。俺のオススメはカツカレー』
なんて心優しい方なんだ。
これはイケると思ったので、
自分の身分と、ここに来た経緯を駆け足で話しました。
すると、学校を案内してくれることに。
しかも『次の授業、一緒に受けよう』とまで言ってくれたので、もちろん受けてきました。
初めて出会った彼の名前は"あっきー"
この出会いが最高の1日の始まりでした。
綺麗な校舎。
木のいい香りがする。
教室もほとんどが木。
この教室は大きい方で、100人程の生徒が入っていました。
普段は20数名くらいの小教室で授業をするらしい。
授業が始まると、皆一斉にノートを取り始め、講師の話を真剣に聞いている。
この授業は通称"グロ研"と呼ばれる授業で、おそらくグローバル研究とかの略だろう。
世界情勢などについての授業だった。
と思う。
(全部英語なので、不確か)
教室の三分の一は留学生だし、講師が投げかけた質問に対し、生徒は手を挙げてしっかり英語で答えるし、なんか普段受けてる授業とレベルが違った。
そして、危機感を感じた。
自分のことを振り返ってると、授業に出ても半分くらい聞いて、あとは寝たり、ボーッとしていたり。
基本的に先生が質問を投げかけても、無視してたり。
もっと積極的に授業受けないといかんなあ。
1時間15分の講義が終了。
結局授業の5分の1も理解出来なかったけど、いい経験になった。
次は図書館。
TVで紹介されることも多い国際教養大学の図書館。
スタジアムみたいな作り。
壁一面に洋書の専門書がズラッとならんでいる様子は圧巻。
洋書だけでなく、下の階には日本語の雑誌や本もしっかり置いてあった。
ここは何もなくても行きたくなる。
22時まで一般開放されているので、行きたくなった人は秋田まで足を運ぼう!
図書館であっきーは先輩を紹介してくれた。
名前は塩野さん。
まさかまさかの地元が一緒。
最寄駅は2つ隣でバリバリ江戸川区民でした。
感動。
地元トークも盛り上がりお互い打ち解けたところで、今日飲もうという話に。
今晩に一人暮らししているあっきーの部屋で飲み会を開いてくれることになりました。
まさか部外者の僕をそこまで歓迎してくれるとは予想していなかったので感動。
ここからは塩野さんと、あっきー3人で行動しました。
図書館を出てから晩御飯を食べにカフェテリアへ。
雰囲気は明るいスタバのよう。
メニューはこちら。
中々おしゃれなレストランでもここまでしない。
普通の店で食べると1000円はくだらないメニューが500円から食べれる。
大学ならではの良心的な価格設定が嬉しい。
アルコールまで売ってる。
カクテルの種類がこんなにあるなんて…
聞いたことない名前のカクテルがびっしり。
英語で表記されているので、一層お洒落に見える。
晩御飯はこうなった。
鳥の唐揚げプレート(500円)に生ビール(270円)。
塩野さんの紹介で留学生2人と相席しご飯を食べました。
一口目のビールが疲れた身体に染み渡る。
至福のひとときとは、このことを言うのであろう。
鳥の唐揚げプレートも美味しい。
留学生との会話は、受験以来本格的に勉強をしてない英語だったので苦労しまくった。
ボディーランゲージでなんとか思いを伝え、会話を続ける。
塩野さんの助けもあって、会話は盛り上がりました。
この時は英語が喋れるようになりたいと本気で思いました。
英語を習得してからまたリベンジしたい!
食べ終わってからは、塩野さんが色んな知人を紹介してくれました。
AIUの人たちはとにかくフレンドリー。
見ず知らずの僕を暖かく受け入れてくれ、色んな話を聞かせてくれました。
個性豊かなAIU生の話はどれも面白かった。
1年生の寮では、フリースペースにある大きなTVで日本代表のバレーボールの中継が放送されていた。
日本人が観ているのかと思いきや、観ているのは全員留学生。
日本が得点を入れると歓声が上がり、ハイタッチして喜ぶ様子はとても印象的だった。
寮を後にしてからは、しばし休憩し、あっきーの部屋へ。
続々と人が集まり、飲み会がスタート。
こんな初対面の僕の話を真剣に、興味を持って聞いてくれ、どんな質問にも気さくに答えてくれるAIU生と飲むのは本当に楽しかったし、勉強になった。
本当に最高の日だった。
由利本荘で引き返して、国際教養大に行った判断は間違ってなかった。
今日だけで20〜30人と話すことが出来たのは確実にあっきーと塩野さんのおかげ。
感謝してもしつくせないです。
夜遅いのでそろそろ寝ます。
ではでは