31日目 三陸〜八戸



今日も7時起床。



三日連続です。



眠い。





今日も見なきゃ行けないとこいっぱいあるし、走らんと。




まずスタディツアーに参加するために11時半に宮古市の田老に着かなければならないので、朝から100キロの移動。




 今日もダンプのせいで思うように進めない。




学生がすし詰めになったバスも生で見ました。




仮設住宅で、いっぱいになった校庭も見ました。




どれもが本当の話だったんだな。




日本にはこんな暮らしをしている人がいるんだから、今の環境がどれだけ恵まれているか噛み締めて一所懸命に生活しなきゃ、被災地の方々に申し訳ない。




2時間走ってちょっと余裕があったので、休憩がてら近くの道の駅に寄ると…


停めてあった自転車に、


【日本一周】の文字が。



その奥に座ってる男性も気づいてくれたようで、向こうから話かけてくれました。



『この自転車俺のじゃないんだよねー。俺はカブで日本一周してるんだけど、この自転車の持ち主に貸してるんだ。もうそろそろ戻ってくるよー。』



10分程待つと、



大きなカブに乗ったお兄さんが!



しかも後ろには日本一周の文字!



なんと日本一周してる人が3人揃う珍事件。





記念撮影はみんな違う人の乗り物に跨って撮ることに。


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日本一周話に花が咲きましたが、時間があるので、すぐお別れしちゃいました。




11時15分に集合場所の田老駅に着いたら、既にバスが来ていたので、バイクを急いで置いてバスに乗り込みました。



僕の他にお客さんはいなかったので、1時間ガイドさんとマンツーマン状態でした。


内容は最初に、街全体を見渡せる堤防に登り当時の様子を説明してくれたり、震災以前の街のことを話してくれました。

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この街は昔から【津波の田老】と言われるくらい津波による被害が多く、
対策として写真にもあるように高さ10mの大きな堤防も整備されていたのに、町はほぼ壊滅状態になりました。


十分な情報が行き届いていなかったうえ、住民の方も津波を甘く見ていたようです。


あの堤防があれば、津波を守ってくれると思い込み家から避難しようという考えに至らなかった方が多数亡くなり、高台に避難した方の多くが生き残ったそうです。



ガイドの方は高台に逃げたため助かったとおっしゃっていました。




堤防の後はここに来ました。

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この建物の右側をよく見てください。



津波の高さを示したしるしがあります。



17mってビル7〜8階の高さ。



こんな高さの津波想像も出来ないし、したくない。



最後にマスコミでは公開されていない、
津波を間近で撮った動画を観ました。



この動画を観た後にはしばらく何も喋れなくなりました。




迫り来る津波から逃げる人。




助けを呼ぶ悲鳴。




津波を見てただ呆然と立ち尽くす住民。





テレビで観てた映像とは全く違いました。




これを観た後、解散場所に帰るまでにガイドさんが、


『私にはもう生きてて希望は無い。こうしてお金を稼いで、寿命を待ちながら生き延びるだけなのさ。』


とボソッと呟いた時にはなんと言い返していいのかわからず、私はただ黙り込んでました。





そのまま解散。




もう自分の頭はいっぱいいっぱいでした。



こんなの辛すぎる。



バイクを走らせてからもあの一言と津波の映像が頭の中を駆け巡り何も考えられませんでした。



気づいたら八戸に着いていて、吉野家にバイクを停め、晩御飯を食べようとした時…



横にいたおじさんが『にいちゃん! 飯奢ってやるよ!』と声をかけてくれたので、ありがたくご馳走になることに。




忘れかけてた人の温かさを感じました。

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帰りがけに、

『俺たちおじさんは、頑張ってる若い人を応援するために生きてるんだよ。これからの旅も頑張れ。』


と言っておじさんは帰っていきました。





腹が満たされたのはもちろんですが、それ以上に精神的に楽になりました。





もう本当に、



ありがとうございました!!





晩御飯を食べた後は、今日の寝床の道の駅ろくのへに向かいました。






今日も色んなことがありすぎました。





ただ、これからも現実に背を向けずに真正面から向き合って生きていかなきゃいけないんだと気付けたとても大事な日でした。





明日はいよいよ北の大地、北海道へ行きます。



ではでは